英語は逆から学べ!(海外ドラマを利用した語学学習)をロシア語で実践しています。
今回は”新しい言語脳”を作ることと、それを実践するうえで従来型の勉強法の何が問題かについて確認も兼ねてまとめます。
英語は逆から学べの目的
英語は逆から学べ!学習法の目的は「新しい言語脳を作ること」
新しい言語脳(本の中では”英語脳”)とは『その言語特有の脳の回路』です。
これはその言語の土台にあたります。
ある言語に対応してできた土台は別の言語には使えないそうです。
つまり、新しい言語を習得しようと思ったら別に新しい回路を開拓し、新たに土台を作らなければならないということになります。
これはなぜかというと、言語体験はその人の人格に直結するからです。
人間の身体の器官は自分が生きる環境に適応するよう発達しますが、それぞれに特定の学習期間があり、その期限となる年齢を『クリティカルエイジ』といいます。
言語においては、一度その社会での人格(言語体験の集合)が出来上がったらそれを崩さないように最適化するそうです。
確かにそう簡単に人格がころころ変わったら社会生活は大変でしょうから、そういう風に進化してるのだと言われれば納得ですね。
言語のクリティカルエイジは8~13歳ごろまでといわれ、それ以降一つの回路においてその土台が変わることはないそうです。
このクリティカルエイジをクリアする方法は、「現在使われていない全く別の回路を使う」ということ。
日本語での刺激を排除することで、脳が勝手に新しい場所を開拓してくれます。
ということで、日本語で一つの土台を作り上げたように、他の回路を使って新しい言語の土台を作ろうというのがこの方法になります。
新しい言語脳を作る目的は、新しい脳の回路を使ってその言語の土台をつくること。
従来の勉強法の何が問題か
従来型の勉強法とは学校で学ぶようなやり方です。
- 単語の日本語での”訳”を覚える
- イディオムの”訳”を覚える
というような、『必ず隣に日本語訳がつく』ような学習法です。
これの問題は『日本語の回路が活性化されてしまう』こと。
言語体験≒人格ということで、一度に表に出てくるのは一つの言語で作られた人格のみなので、ひとつの言語の回路が活性化されているときは、他の言語回路の活性は抑えられてしまうといいます。
つまり日本語の回路が活性化されてしまうと、新しい言語の回路がなかなか作れないのです。
この考え方からすると、『別の言語を勉強をしているつもりで、実は日本語学習の延長をやっている状態にある』ということになるかもしれません。
このため、実際に新しい言語を使えるようになるためにかなりの時間がかかってしまうようです。
従来型の勉強法では日本語回路が活性化し、新しい回路を使って覚えたい言語の土台を作ることができない。
なぜ私はこの方法をとるのか
やっぱり、「母国語でやったように自然に学ぶ」ということに魅力を感じるからです。
実は、私が一番好きな言語はイタリア語なのですが、イタリア語の何が好きかというと「音」なんですね。
きちんと勉強したことがないので知っている単語はごくわずかですが、イタリア語に関しては聞こえた瞬間から自動的に音を追っている&音のかたまりをある程度掴める感覚というのを体験的に感じています。
なので、音を予測しながらその繋がりを覚えていくことを学習法に取り入れられるならそれがベストではと考えています。
ただ普通に実践するとやはり長い年月がかかってしまうやり方ではあると思います。
『英語は逆から学べ』にはただ海外ドラマを見て学ぶだけではなく、過去の体験を利用しながら加速的に言語を習得する方法が書かれています。
なのできちんと実践した場合ある程度の効果を得るまでにどれくらいの時間を要するのかにとても興味があります。
また、この方法はいわゆる4技能のテクニック習得が目的ではありませんが、土台作りは全てにつながると思います。
脳科学に即して言語の土台作りに焦点を当てた他にはないテキストですし、実践する価値は大きいと考えています。
コメント