こんにちは、noraです。
現在、『英語は逆から学べ!』の学習法を0からスタートしたロシア語とある程度習得した英語に対して同時に実践しています。
英語では一度失敗しているので改めてどのように導入すべきかがわからずにいましたが、別の言語で0から実践する中で「途中からでもできる」という感覚を得たので、今日はそのことをまとめてみたいと思います。
これは、字幕なしでドラマ等を見て8割くらい単語をつかまえられるような状態になってからの語彙の増やし方になります。
英語は逆から学べ!で辞書を使いながら語彙を増やすには…
大方聞き取れるようになるまでは辞書はNG
これは『英語は逆から学べ!』を厳密に実践場合のルールですが、海外ドラマの持つ語学学習に対するポテンシャルを最大限に引き出すためにも重要なことなのでまずは嫌がらず実践してほしいです。
理由としては脳に新しくその言語の神経回路を構築するためで、まずは文字情報より先に音と視覚での情報を優先することが重要になるからです。
これをふまえて、ある程度聞き取れるようになってからどのように辞書を活用していくかについて以下に書いてみます。
文字を使っての学習は音が聞こえるようになってから。そのタイミングは?
この本には文字の勉強法はほとんど出てきません。
というのも著者の苫米地博士の主張が「まず音声言語で単語をイメージできるようになる、さらに次にくる音や言葉を予測できる状態になってから文字を学ぶのが好ましい」というものだからです。
改めて同じことを言いますが、この方法はある程度会話が聞き取れるようになってから、つまり会話を聞きながら「次はこんな単語やフレーズがくるな」というのがある程度絞れるようになってからの方法になります。
この感覚ですが、意識する前に次の単語やフレーズが浮かんできます。
「Hello」ときたら「How are you?」とか「How’s it going?」とか「How have you been?」とか状況によっていろんな選択肢がありますよね。
それを「Hello」が発せられた時点でどれか予測します。というか、慣れているものに関しては浮かんでくると思います。
合ってても間違ってても気になりません、違ったら「そっちか~」って感じで終わりです。日本語もそうですよね。
感覚としてはそのように軽いものですが、『予測→間違える』という一連の動作は記憶の定着に大きな役割を果たしているので、言語の学習においてとても重要な要素です。
エクスペクテーション・フェイリャー(expectation failure)といって、脳は予測が外れた時にその出来事を記憶として定着させる性質があります。
なのでできてもできなくても『次を予測する』という意識を持つことを徹底して取り組み、これが自然とできるようになってきたあたりで文字をつかった学習に移行してもいいのかなと思います。
ここは納得しきれない人も多いかもしれませんが…。汗
ドラマで語彙を増やすときはこの辞書を使うべし
英語は逆から学べ!では「辞書は使ってはいけない!」と言われますが、一部使用が許されている辞書があります。
それが、『シソーラス』と『英英辞書』です。
会話で使われる単語には多義語でかつ類義語も多いものと、固有名詞やそれに近いくらい限定的な意味を持った単語の大きく二つに分かれると思います。
辞書には定義と類義語が載っていますが、シソーラスは類義語だけに絞ったものになります。
よって、ある程度定義を知っている単語についてはシソーラスで、あとは英英辞書を使うといいのかなと思います。
類義語を持たない単語に関しては単純にシソーラスには載っていないので、どうしても英英辞書を使うしかありません。
ちなみに私は以下のペーパーバックの辞書を使っています。
どちらも2000円しないくらいなので持っていて損はないと思います◎
実践上忘れてはいけない大事なこと
実践するうえで常に頭に置いておきたいのは
『最初の目的はターゲット言語脳(モード)を作ること』
です。
『英語脳』という言葉が使われていますが、要は『その言語専用の神経ネットワークを作ること』が目的になっています。
そのためにやらなくちゃいけないことが、日本語の神経ネットワークの活性を押さえること。
この間一切の日本語を排除しなければいけません。
シソーラスや英英辞書を使っていいのは日本語が載っていないからということになります。
アプリ辞書を使ってもOKですが、その際はできる限り日本語を排除するように設定してください。
もう一つはやらなくていい事。
ドラマの内容を追うこと、会話のフレーズを暗記することはやらなくていいことです。
これは遅かれ早かれついていけるようになるので、分からないままでも全く問題ないので焦りは禁物です。
「使える英語を覚えないと!」「英語が使えないと!!」っていう意識が強いと、多分ここでつまずきます。。
焦って字幕を出す・辞書を使うという禁じ手を使ってしまいがちなので注意が必要です。
具体的な方法
実は、シソーラスを使って語彙を増やす方法は本の中では触れられていません。
これは苫米地博士の主催するクラスやDVD等で解説がされているようです。
本当に徹底的に語彙を増やす場合はそちらを探したほうがいいと思います。
ここからは本で紹介されている基礎的なやり方を拡張して実践している私なりのやり方になります。
基本動作としては
- 単語を一つ掴まえる
- 単語をイメージする
- 単語を五感で感じる
- 抽象度を上げる
- 次を予想する
の5つ。この時ストーリーは分からなくてもOK。
気にしないぐらいのスタンスがいいと思います。
あくまでも『英語の神経ネットワークを作ること・定着させること』が目的なので、この5つをやっている後ろで音声が流れていればOKです。
抽象度という言葉ですが、ここでは言語同士の比較はやめて、各言語が紐ついている元の体験を思い出しましょうということです。
ひとつの体験を各言語間で共有することで、言葉を(視覚情報などを含めて)立体的に理解できるようになる、加速度的に体得できるということだと思います。
詳しい説明は本の中でされているので、是非読んでみてください。
捕まえるのはこんなもの…と思うくらい簡単な単語で大丈夫で(treeとかappleとかそんなのでいい)、とにかくこの一連の動作に慣れることが大事です。
そのうち視覚情報とセットで意味が理解できる単語が出てきたときにスムーズに単語のイメージをひろげられるようになります。
シソーラスはこの途中に突っ込んでいます。
感覚としては『単語を五感で感じる』と『抽象度を上げる』の間くらいの段階でシソーラスを混ぜています。
元の単語のイメージをしつつ、その感覚を思い出しつつ、その状態で類義語に触れるという形にしています。
定着させるには?
これで問題になるのがシソーラスで見た単語を全部覚えられるかですが、普通に覚えられません。笑
ここで大事なのが、海外ドラマで学習する際『1話から最終話までを繰り返し見る』というルール。
別々の話を見ることで脳には新しい刺激を与え続け、また、終わったら一から繰り返し見ることで定期的に固定化します。こうすることで自然と定着していきます。
それに伴って、シソーラスで引いた類義語もその体験に紐ついてふっと思い出せるようになっていきます。
実践していて思うこと
実は私の悩みどころもこの音声→文字への移行です。
いろいろと早合点して実践したせいで音に対する感覚と文字に対する理解がものすごく中途半端な状態になっています。
文章に関しても相変わらず「訳せなくてはいけない」という意識が刷り込まれているので、ここからどのように学んでいくのかの方針が立てづらい状態にあります。
実は翻訳の勉強がしたいと思っていたのですが、この実践を通して改めてもととなる英語力の不安定さを自覚しました。
そもそも海外ドラマを使って勉強する理由は、『言語と視覚情報は本来切っても切り離せないから』です。
従来の勉強法は文字先行で視覚情報と切り離されてきたものでしたが、言語体験としてはかなり不完全なものだといえそうです。
あまりに文字先行の学習に慣れ過ぎていて、「わかる」と思っていた事すら実は相当あやうい状態なのでは…と感じています。少なくとも「体得的」ではないですから。
ここまではそれでもわかればいいと思っていましたが、それをこんなに怖く感じるようになるとは思っていませんでした。
特に翻訳は特殊な技能だからこそ、ターゲット言語には深い理解が必要だと思います。
せっかくこの方法で学べるという確信を得たのだから、まずはこれで土台となる英語力をしっかり強化してからにしたいという思いが強くなってきています。
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