「英語脳って作らなきゃいけないもの?」
「日本語から訳してでも通じたらいいんじゃないの?」
…ごもっともです!
管理人も基本通じれば習得する方法は本人に合えば何でもいいと思っている派です。
それでも英語脳を作ることをおすすめしたいのにはわけがあります。
今回は英語脳を作る学習法のメリットとデメリットについてお伝えできればと思います。
このブログでは「海外ドラマ漬」や「洋書多読」によっておうちにいながら独学で英語脳を作る方法をご紹介しています。
英語脳とは英語を英語のまま理解することを可能にするための土台であり、英語用に作る新たな脳の神経回路だという前提でお話しています。
もちろんベストは実際の環境に飛び込むことですが、独学でそれに近づける方法もあるということをお伝えできればと思っています。
英語脳を作ることをおすすめするわけ
英語脳を作るメリット
英語脳を作る主なメリットは次の2点です。
とくに1によるメリットがとても大きいので以下でお伝えできればと思います。
言語は五感とセット
英語を一つの“教科”として学ぶ普通の勉強法に慣れていると「五感で学ぶって何?」となってしまうかと思いますが、本来言語はその人の経験とセットで学ぶものです。
単語一つとっても視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚とそれを抽象化したイメージが紐ついている状態で、普段私たちが気づいている以上に多くの情報が含まれています。
従来の勉強法は合理的ではありますが、単純に利用できる情報が少ないとはいえると思います。
ベストはもちろん実際の英語環境に飛び込むことですが、海外ドラマを利用して疑似的にその状態を作り出すことで独学も可能です。
ここで大きな役割を果たすのが視覚情報です。
海外ドラマを利用する場合どうしても「耳を鍛える」「フレーズを覚える」ということに意識がいきがちですが、大事なのはむしろ視覚情報。
たとえ「リスニング力」という観点で見たときに全く理解できなかったとしても、視覚情報で理解できることがたくさんあることに気付きます。
「…ずるくない?」と思われるかもしれませんが、決してズルでも何でもありません!(笑)
本来言葉はあらゆる情報を総動員して身につけていくものなのです。
視覚情報に合わせ「耳から入ってくる音の情報」、「さらに自分の経験的な感覚」をリンクさせていくことで足りない情報量を補い、より厚みのある言語体験を目指すことができます。
無意識が勝手に学び続ける
いったん英語用の回路(英語脳)が定着してしまうと、あとは無意識が勝手に学び続けてくれます。
脳が英語を重要なものだと認識するようになるからではないかと思います。
たとえ英語脳の活性が抑えられている状態であっても、バックグラウンドで情報を集め続けてくれるようになります。
これは決して特別なことではなく、普段日本語でも起こっていることです。
わざわざ調べていないにもかかわらず、いつのまにか読めるようになっていた、意味が分かるようになっていたという漢字や言葉はありませんか?
中には調べもせずに平気で使っている言葉もあると思います。
実際は調べた時がいい場合がたくさんありますが、ここで調べもせず使ってしまえること自体、言語が体験に支えられているということを無意識に理解しているということだと思います。
それと同じことが英語でも起こるようになります。
いい悪いではなく、それくらい英語が自分にとって自然なもの、使えて当たり前のものになってきます。
英語脳を作るデメリット
基本的にデメリットはありませんが、しいて言うなら
の3点でしょうか。
学校の試験で要求されるのはどちらかというと翻訳的な能力だと思います。
英語脳を作ることで英語の運用能力の基礎を身につけることができますが、これは翻訳力とは別物です。
その場合『英語脳を作る』→『必要に応じて翻訳・通訳力を鍛える』という段階を踏むことになり、それぞれは別のプロセスになります。
試験が迫っているときに英語脳を作っているとさすがに間に合わないので、そこは割り切って普通の勉強を頑張って、余裕のある時に実践してもらえるとうれしいです。
専門的な内容についても翻訳力と同様で英語脳ができてから意識的に学ぶ必要があります。
英語脳を作る段階では対応が難しいので、急いでいる場合は注意が必要です。
また、感覚的に学ぶためどうしても得手不得手がはっきり出てきます。
さっきまでスムーズにできていたことが、相手や環境、話題が変わると突然ボロボロになることも…
実際の会話での気まずさは普通の勉強の場合でも避けて通れないことなので、ここは割り切るしかない部分かなと思います。
英語脳ができると英語を一生の武器にできる
英語脳を作る過程は従来の勉強法と異なり感覚に頼る面が大きいため不安になってしまう部分はあるかと思います。
実際私自身何度も不安になり、何度も挫折しました。
でも結局日本語を排除するというやり方を徹底して今思うのは、迷わず続けておけばよかったなということです。
確かにデメリットの項で書いたように短期的な目標には弱い部分もありますが、加速度的に学習が進むことから、どこかのタイミングで従来の方法で得られる結果を追い越す日が来ます。
その時試験勉強や専門分野への対応もかなり楽になっています。
また同時に、英語はただの教科でも仕事に必要な資格を取るための道具でもなくなっています。
日本語と同様に自由に使え、可能性を広げてくれ、日々進化し続ける、素晴らしいツールになっているはずです。