英語を学ぶとき、「英語力をつける」「話せるようになる」「聞き取れるようになる」といった言葉がよく使われます。
単語を覚えてもすぐに忘れる。文法を理解しても使いこなせない。英会話の場に出ても咄嗟に言葉が出てこない…。
それは、英語力を育てようとする前に、“ある準備”が足りていない状態かもしれません。
その準備こそが、このブログの核となる考え方――**「英語脳を育てる」**ということです。
英語力≠英語脳
英語力とは何か?
英語力とは、「英語を使ってできること」の集合です。
リスニング力、スピーキング力、語彙力、読解力、文法知識、表現力…。
これは試験のスコアや会話の実力として目に見えるものであり、多くの人が目指すゴールでもあります。
しかしこの「英語力」は、単に知識を増やすだけでは育ちません。
英語脳とは何か?
英語脳とは、「英語を英語のまま受け取り、理解し、返すための脳の回路」のことです。
たとえば日本語で会話しているとき、いちいち単語や文法を意識せず、思考とことばが自然に連動していますよね。
英語脳とは、その**“英語バージョン”の脳の状態**です。
- 頭の中で日本語に訳さなくても意味がとれる
- 単語や文法を考える前に、音として意味が染み込んでくる
- 文構造を瞬時に組み立て、返答ができる
これは暗記やトレーニングの量だけでは育ちません。
英語を受け入れる心と身体の状態、そして環境との関わり方によって育まれる「処理システム」なのです。
英語力は「結果」、英語脳は「土壌」
この関係をひとことで言うならば、
**英語脳は「英語力を自然に育てるための土壌」**です。
英語力だけを育てようとするのは、やせた土に無理やり作物を植えるようなもの。
一時的に伸びても、定着しづらく、実践で使えるようになりません。
だからこそこのブログでは、「英語脳を育てること」を先に提案します。
なぜ「英語脳」が必要なのか?
英語を母語のように扱える人は、文法や語彙を都度変換して使っているわけではありません。
彼らは英語を英語のまま“通す”システムを持っているのです。
それは、
- 無意識的な音の処理
- 心地よさやリズムの感覚
- 文化的前提や思考パターンとの親和性
など、認知的にも身体的にも深く結びついた「回路」であり、トレーニングや経験、そして**“英語に違和感を感じない環境づくり”**によって育ちます。
このブログで目指すのは「英語脳が英語力を育てる」状態
英語を学ぶのではなく、英語脳を育てる。
そしてその英語脳が、自然と英語力を育ててくれる。
この順番こそが、多くの学習者が気づいていない「抜け落ちた最初の一歩」だと私は考えています。
知識も、練習も、実践も、すべてが意味を持つのは、それを受け止める「土壌」が整ってこそ。
このブログでは、その土壌を耕すところから、英語力の花が咲くまでの道のりを、順を追って紹介していきます。
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