赤ちゃんのように英語を学べ」は本当に非効率?大人にしかできない “英語習得のショートカット”とは

3. 英語脳を考える

こんにちは、ぴぴです。

私が紹介している「英語脳を育てる」という学習法、これは母国語習得に近い形で言語を学んでいくプロセスです。

これをお話しすると真っ先に質問されるのが「それってどれくらいかかるの?」「非効率じゃない?」ということ。

実際、赤ちゃんは毎日24時間言葉のシャワーを浴びて、それでも意味のある発話までは1~2年かかります。

そこから十分なコミュニケーションの土台が出来上がるまでにはさらに多くの年月がかかります。

そんなことをしていたら、ものすごく遠回りなのでは…?という疑問はごもっともです。

この記事ではその疑問に答えてみたいと思います。

赤ちゃんと同じ学び方をしても、大人はショートカットできる

以下に、赤ちゃんと大人の大きな違いを挙げてみます。

【赤ちゃん】

  • 全てが初体験+ラベル(言語)もゼロからのスタート
  • 五感体験をもとにラベルを構築して母国語を学んでいく

【大人】

  • 経験的知識、感覚(意味の束)はすでにある
  • そこに新しい言語ラベルを追加することができる


赤ちゃんと大人の決定的な違いは『経験的知識、感覚(意味の束)の量』です


たとえば、こんな場面。


あなたは電車に乗ってどこかへ行こうとしています。

切符を買おうと券売機に近づいたところ、運賃表を見ておろおろしている外国人を発見しました。

その人はすごく不安な様子で英語で何かを訴えかけてきていますが、何を言っているかは理解できません。唯一理解できるのは日本語の駅の名前だけです。


…この状況、普通の大人なら「ああ、その駅に行きたいんだな。運賃がいくらで、どうやって切符を買えばいいかを聞いているんだな」と判断できますよね。


ですがこれは、『自分で目的地までの切符を買って電車に乗る』という経験をしたことのある人でなければできません。

逆に言えば、経験があれば言葉がなくても何が起こっているのかを瞬時に理解できます。

言葉はそれに後からついてきたものなのです。



子供が1日24時間母国語を浴び続けて、基盤ができるまでに10年近くかかるのはすべての体験を再利用可能なものとして言語に落とし込むプロセスが含まれているからだと思います。

逆に、大人は言葉にはできなくてもすでに知っていることが多くあります。

その経験的な知識や感覚を利用することで、母国語の習得に近いプロセスであっても学習を効率化させることができます。

経験的アドバンテージがあるのにうまくいかない理由

大人には経験的なアドバンテージがあるのに、新しい言語を習得するのがどうしてこんなに難しいのでしょうか。

それは、従来の学習法が翻訳学習に近く、すでにある日本語のラベルと、新しい言語のラベルを結ぼうとしていることにあります。

英語と日本語が1対1で記載された単語帳などを思い浮かべていただけるとわかりやすいかと思います。

これによって何が起こるかというと、五感体験と言語ラベルが結びつかずに、ただの無味乾燥な知識の暗記になってしまうのです。

ただでさえ膨大な量のラベルをすべて意識的に記憶していくというのはとてつもない労力がかかります。

よっぽどの目的意識がない限り、嫌になるのは当然なのです。

英語ラベルを五感体験に結びつける:学習の最短ルート

一から十まで意識的に記憶していくには、言語の知識はあまりにも膨大です。

だからこそ、脳の学習プロセスに矛盾しない形で『経験的知識へのラベルの張り替え(or追加)』という形をとるのが効率のいい方法だと私は思っています。

海外ドラマ等を利用した多視聴多読は、五感の意味の束に英語ラベルを追加する強力な手段になりえます。

五感×英語で新しい回路の構築ができると、学習スピードも記憶定着も確実に変わってきます。

まとめ

英語を「翻訳で覚える」のではなく、「体験に英語を貼りつける」。

これが、子どもではなく“大人だからこそできる”学び方なのです。

あなたの中にすでにある膨大な体験を、英語の習得に活かしていきましょう◎

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