取り急ぎメモ。
私自身の英語学習ですが、現在実際の運用においてクオリティを上げる状況に来ています。
海外ドラマを使った学習法は独学ゆえに実際の会話訓練ができないのが難点です。
「ネイティブと話せる英会話サービス」といったものもオンライン上に存在しますが、実際の必要性がない状況でそういったサービスをむやみに利用してもあまり効果を感じなかったため、ほかに方法はないかとずっと模索を続けていました。
そんなときに見つけたのが「リプロダクション」という方法です。
これはかつて通訳者の方々が使っていた訓練法だそうで、発話される英文を聞き切ってからそれを丸々暗唱するといったものです。
はじめは大体7語前後の文章を目標に練習します。
7語なんて書き言葉で考えると本当に短い文章ですが、実際にやってみるとこれがびっくりするほどできないのです。
ちゃんと聞き取れているはずなのに口から出てこない。
なんならシャドーイングでは全然ついていけるのに、それでも出てこない。
自分が一文を再現しようとしている間、登場人物たちの会話はずっと続いています。
文章を再構築しようと必死にもがいているところに次から次へと新しい音が入ってくる…
口から出てくる言葉はたどたどしい単語…
頭が爆発しそうなくらいこんがらがります。
この方法をとっていて「シャドーイングはあくまでも会話スピードについていく&発音を鍛えるもの」で「自分自身で文章を組み立て発話するというスキルは別に鍛える必要があるらしい」ということに気づきました。
シャドーイングは自分で考えてしゃべっていません。
発話者にそのまま乗っかっているだけです。
リプロダクションも文章自体は自分で考えたものではありませんが、再構築を試みるという行為自体が自分で考えるということの疑似体験になっているのではないか?と感じました。
そしてこれが独学でできる発話訓練としてはかなり有効な手段ではないかと思っています。
リプロダクションを繰り返すようになって起こった具体的な変化ですが
①短い文章でも言葉が詰まる不快な段階
2,3語、主語と述語の単語みなど文章として完成させられない状況がしばらくつづく
↓
②今発話された短い文章を再現できるようになる。
その発話内容のイメージ(状況・感情等)ができるようになる
↓
③発話している人がどういう人物か、どういう性格で、どういう発言が多いかということに自然と意識が行くようになる(その人物から発せられる発言の予測ができるようになり始める)
↓
④発話者の発言内容に対する、会話相手の感情が想起されるようになる
(ここまで発話者のみに行っていた意識が、会話相手も含んだものに向くようになる)
↓
⑤会話が起こっている状況・環境全体に意識が向き始める
↓
⑥会話相手の返答を予想できるようになる
こういう流れで「会話を聞き取る際に向ける意識の範囲が広がる」という変化が起こっています。
これによって気づいたことが以下のことです
・暗記ではない
・次を予測するということは自然に起こる
海外ドラマでの学習でよく言われるのがスクリプトの暗記です。
これは私も試しましたし、有効な手段の一つであるとは思います。
ただ正直言って本当に楽しくありません。
今回の上記の流れで次を予測できるようになってきて感じるのは、その感覚が暗記によるものとは全く違うということです。
もちろん何度も繰り返して見ているのでリアクションを覚えている部分もありますが、同時にほかの選択肢も浮かぶのです。
これは暗記よりもカバーできる範囲がずっと広い状態だといえると思います。
海外ドラマを使った学習法は苫米地英人さんの著書で紹介されていたものを参考にしているのですが、そこで繰り返し指摘されていたのが「次を予測する」でした。
これに関して以前はやはり「スクリプトを覚えてしまえば予測できるのではないか」という考えのもと暗記に走った過去があります。
ですが今回リプロダクションを試しているうちに自然とそういう変化が起こったので、なにかわざわざやらなくてはいけないものではなかったらしいということがわかりました。
これらを踏まえて今思うことは
「『母語を身に着けたときに自分がしたであろう行動がどのようなものだったか』ということをできる限り洗い出してみて、それらを試してみることがさらにクオリティを上げることにつながるのではないか?」ということです。
リプロダクションもたいそうな名前がついていますが、結局は発話ができなかった子供のころに自然と自分自身がやっていたことではないかと思うのです。
子供は言いたいことが言えなくて泣きますが、今回の体験のあの言いようのない不快感は確かに泣き出したくなるものでした。笑
当時のように今は泣けませんし母語を使うなど無意識にズルをしそうになりますが、それを封じて乗り越えなければいけないのだなあと改めて感じた次第です。
いくつになっても新しいことは学べますが、乗り越えるべき課題やそれに対する不快感は大人になったからと言って和らぐわけではないのだなあと学びました。笑
ズルしない、というか、ズルができない子供のころの体当たり感を持ち続けながら学習を続けたいなと思う今日この頃です。
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